本田透氏「萌える男」 [萌えるセカイ]
電波男の本田透氏の新刊「萌える男」、早速読んだので、紹介・感想などを。
基本的な主張は「電波男」とほぼ同じ。
恋愛が商品となってしまった現在の社会「恋愛資本主義」批判と、「萌え」の正当性を訴えている。
異なる点を上げていくと、
- 電波男の想定読者がオタク中心であったのに対し、萌える男は一般対象。その為、文体はまじめに、嫌オンナ論的な部分は控えめになっり、かわりに萌えの発生や効用を中心においている。
- その後の状況の変化(映画「電車男」などの評価)や、新たに「マリア様が見ている」「処女はお姉様に恋している」「Kanon」などを使った萌えの説明を追加
- 「萌え」が個人だけではなく、シミュレーションによって「恋愛」や「家族」の再構築をはかろうとしている、と主張。
- 「池鶴関係」「虎別関係」「ほんだシステム」の説明は無し。「あかほりシステム」は名前は出てこないが、説明はある。
電車男の評価が、「電波男」では徹底して否定していただけですが、「萌える男」では少しポジションが変わって、純愛ができるのはオタクだけだと証明してしまった、という評価が面白かった。
主張する部分が重なっているとはいえ、切り口が異なっているので、「電波男」読者にも面白いと思われる。
また、オタクでない人には「萌える男」から読んでもらう方がいい。「電波男」は読む人を選ぶので、人によっては本気と冗談の区別がつかないこともありうる。
オタクな人の場合は電波男の方から入るのがおすすめする。「面白さ」「痛快さ」では「電波男」が上だから。
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